[本] バカの壁

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バカの壁,養老猛司,新潮新書


ちょっと前にかなり売れた養老猛司の本.
電車の中とか,空いた時間に読んでたら,
読むのに結局2週間以上かかってしまった・・.

教育とか共同体とか情報とか,
そういうものを脳科学の立場から,
また養老哲学(俺がそう呼んでるだけですけど)で考えた本.

バカの壁.
「わかる」と言うことの人による違い,とでも言いますか.
わかるってどういうことやねんと,
それから始まって色んな話に発展していきます.

結局のところ,
「人間であればこうだろう」
と言う「常識」があればみんなと分かり合っていけるでしょうと.
そういう感じ.

なんだろう,
自分がちょっと考えてた事(共同体とか情報とかが,特に)に関して,
割と納得がいく意見が書いてあったなぁと思います.
人とどうコミュニケーションをとっていくか,
と言うのは自分にとっての大きなテーマですけど,
「バカの壁」を意識してみると
わかることもありました.


合理化してその後どうしていくのか.
と言うテーマがありました.
これについて最近よく考えてました.
こないだ奈良に帰った時に,
「NEETってなんであかんの?」
と意見を求めたんですけど,それがまさにそう.

この本の中ではそれがNEETではなくホームレスでしたが,
何もしなくても(やりたくない事を全くせずに)
生きていけると言うのは,ある意味で究極の生き方では無いのか.
俺もそう思います.
生きていくためのお金がある上で仕事をし,
その仕事を楽しいと言うのなら,それは「生きるためにする仕事」
と言うより「遊ぶためにする仕事」だと思います.
ちなみに俺がやってるバイトもそれです.

「消費するだけで国に貢献して無いからだめだ」
とか誰かに言われたけど,全然ピンと来ない.
なんで貢献しないといけないのか,国に,そもそも他人に対して.
自分が自分のためだけに,
自分自身が楽しいと思うように誰にも迷惑をかけずに生きていくことの
どこに問題があるんだろう.

いわゆる「ボンボン」のぼっちゃんは昔からいたはずだもん.
それが「ちょっとボンボン」くらいのレベルになって
数が増えて来たのがNEETなのかなぁ,って思う.
でも俺はそれが問題であるようにはなかなか思えない.
「なんかNEETってやだよね」
以上の問題があったら知りたい.


そもそも,そこが「壁」なんだろうな.
生きるためにしろ遊ぶためにしろ,
働くのは楽しい,意味があると思う事が出来るけど
思う事が出来ない人もいるのだ,と.そういう壁.
考え方の違いを壁と言うのなら,
壁は人の間になら必ずあるはず.
ただ,
向こう側が何も見えないほど厚いか
話し声が聞こえるくらい薄いか
と言う違いがあるだけだと思います.
その壁を完全になくす事が「壁を壊す」と言うことだと思うし,
そのために人とコミュニケーションをとっていくのだと思います.

おもしろかったです.この本.

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自分自身で最低限のお金を稼いで生活して、
他人に迷惑かけずに生きて行く事はええねんけども、
まずNEETになる時点で親の金を使っていて、
30程度になっても親のすねをかじったまま
何もしないっていうのが問題。

>「消費するだけで国に貢献して無いからだめだ」
結局、この結論も自己保身になる訳。
それだけ国に貢献していない人が増えると、
貢献している人の負担が増えるからやろな。

あとさ俺らあんだけ働いて税金納めて国から色々なサービス受けてるのに、
何も働いてなくて同じサービスを受けれる時点で腹立つわ。
という話を突き詰めていくと共産主義になっていくんやろなー。
中々難しいお話やね。

最後に一言。
「Nosho is No Show!!!!」

国を引き合いに出すと「ハア?」ってなりやすいけど,
その国(というか社会)が成り立ってるのは,
一生懸命働いてるたくさんの人がいて,
その人たちが税金という形で公共に奉仕しているおかげ.

人に与えて与えられて皆生きてるはずで,
誰の世話にもならずに生きてくとか無理やもんね.
自分は何もせずに与えられるだけってのは
好ましくない事やと思う.

 NEETは親に迷惑をかけていることがだめ。でも、親の財産がかなりあって自分が死ぬまで不自由せず親も不満がなかったら、問題ではないのだろうか?
 ホームレスは、援助する人の世話になっていることもあるけど、残飯などで生きていってるなら迷惑はないのだろうか。最終的には死んだときに迷惑をかけるのかな?

 自分にフィードバックされると感じたらもっと国に貢献する意識も持てるかもしれませんね。福祉国家とか政治・経済、法文化を勉強してみるといいかも

 意味があると思うかどうかみたいに、捉え方次第ってことは多い。偶然と必然もそうだし。いい捉え方ができてより楽しく生きられるようにするように相手に働きかけるのがコミュニケーションだと思いますベルリンの壁でも壊す勢いで!!

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このページは、まんとるが2005年12月22日 02:56に書いたブログ記事です。

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